
“春夏秋冬”と“花鳥風月”この二つのお題を一枚に落とし込むことに挑戦したシリーズ最終版は年の瀬の景となります。冬の季語でもある冬三日月を背景に、御高祖頭巾を身に纏う美人図から道中かなりの寒さを感じさせます。ただ厳しい季節のなかでもモダンな重ね着を楽しみ、思いや願いを込めた熊手を手にした浮世絵美人、それは日本の慣習から感じられる細やかな楽しみや暖かさなど日本人の美学として描いており、見たもの各々が大切な“何か”を感じ取っていただければと願っております。過去作品含め全四作品すべてを並べることで浮世絵の連作として完結、浮世絵文化を気軽に楽しんでいただければと思います。